鸚鵡小町(おうむこまち)

以前から見たかった能「鸚鵡小町」!
本日、大槻能楽堂に行ってきました。

毎月、時間を見つけては通っていた能楽ですが、今年はコロナ禍の影響で1月「新春能」以来始めての能楽鑑賞。

さて、さて、本日の曲は絶世の美女といわれた小野小町が題材ですよ。
世界三大美女といえば、古代エジプト「クレオパトラ」!
中国唐、玄宗皇帝が寵愛しすぎて国を傾かせたほどの美女「楊貴妃」!
そして、我ら日本の代表「小野小町」ですよね〜。

「花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせし間に」
小倉百人一首にも収録されている小町の歌ですね。

その小野小町の成れの果てが能楽では曲になっているのです。
『卒塔婆小町』(そとばこまち)という曲も小町が題材。
これは、かなり悲惨!

若く美しかった時代に「深草少将」の求愛に応じず、百夜通いさせたあげく死なせてしまう…
彼女が歳をとり、皆から忘れ去られた老女の小町には、深草少将の亡霊が取り憑いて…
なんと!
狂乱状態になっている!!!という設定です。
最後は僧に助けを求めて、悟りの道に入るという内容です。

『通い小町』(かよいこまち)、これはもっと悲惨!
小町の事が好きで好きでたまらなかった深草少将。
小町が死んでもなお小町への執念は断ち切れず、小町の亡霊に取り憑くという。
亡霊が亡霊に取り憑く!?
なんとも恐ろしいほどの執念深さが題材。

「鸚鵡小町」では、小野小町100歳、乞食の老婆という設定。
昔、宮中で歌を読み、才色兼備を誇っていた小町の華やかなりし頃を思い出した時の帝が歌を詠み
小町に送るというところから、この物語は始まるのです。

栄華を極め、今まさに終焉を迎えんとする小町。
よぼよぼの老婆ですが、老いても溢れ出る才気と品の良さ。
それがまた、哀れを誘う物語になっています。

本日シテ方 上野朝義氏「鸚鵡小町」。
小町の哀れさと消え入りそうな様子…しかし彼女の放つ深い思いが溢れ、静かな舞に重なり見応えありました。
笛の音が小町の心情を切々と語り、小鼓が哀愁を醸し出し、大鼓が静寂を作り出す…。
そんな美しく静寂に満ちた素晴らしい舞台でした。

あ、追伸♡
私の席、斜め後ろになんと乙女文楽の桐竹繭紗也(きりたけまさや)さんがおられました!
昨年、一緒に舞台を努めさせていただいた人形遣いの方ですよ。
彼女と共に練り上げた「竹取物語」。
今年の再演は流れてしまったけれど、来年は是非とも舞台公演が出来るようにと祈っています。
ご縁があるなあ〜〜ってつくづく思いました♡

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